○野田市火災予防査察規程

令和2年12月23日

野田市消防本部訓令第1号

野田市火災予防査察規程(平成3年野田市消防本部訓令第1号)の全部を改正する。

目次

第1章 総則(第1条・第2条)

第2章 査察

第1節 査察の目的(第3条)

第2節 査察の種類及び査察対象物の区分等(第4条・第5条)

第3節 査察に係る責務等(第6条―第9条)

第3章 立入検査

第1節 立入検査の実施(第10条―第13条)

第2節 立入検査の結果の通知等(第14条―第20条)

第3節 資料の提出及び報告の徴収(第21条―第26条)

第4章 違反処理

第1節 通則(第27条―第32条)

第2節 警告(第33条・第34条)

第3節 事前手続(第35条)

第4節 命令(第36条―第41条)

第5節 公示(第42条・第43条)

第6節 特例認定の取消し等(第44条・第45条)

第7節 告発(第46条・第47条)

第8節 過料事件の通知(第48条・第49条)

第9節 代執行及び略式の代執行(第50条―第52条)

第10節 雑則(第53条―第55条)

第5章 補則(第56条―第58条)

附則

第1章 総則

(趣旨)

第1条 この規程は、消防法(昭和23年法律第186号。以下「法」という。)及び野田市火災予防条例(昭和37年野田市条例第3号。以下「条例」という。)の規定に基づく査察、立入検査、違反処理その他の火災の予防に係る業務を行うことに関し、法令その他別に定めがあるもののほか、必要な事項を定めるものとする。

(定義)

第2条 この規程において、次の各号に掲げる用語の意義は、法の例によるほか、当該各号に定めるところによる。

(1) 査察 立入検査、違反処理、火災の予防等のために必要な指導を含む一連の作用をいう。

(2) 立入検査 法第4条第1項又は第16条の5第1項の規定により消防対象物に立ち入り、その位置、構造、設備及び管理の状況並びに危険物の貯蔵若しくは取扱いの状況を検査し、又は関係のある者(関係者又はその代理人、使用人その他の従業員等をいう。以下同じ。)に質問することをいう。

(3) 違反処理 法、消防法施行令(昭和36年政令第37号)、消防法施行規則(昭和36年自治省令第6号)条例野田市火災予防条例施行規則(昭和37年野田市規則第4号)、建築基準法(昭和25年法律第201号)、建築基準法施行令(昭和25年政令第338号)その他の法令等の防火に関する規定(以下「消防法令等」という。)違反の是正又は火災が発生する危険、火災が延焼する危険及び火災による人命の危険の排除を図るため行う、警告、命令、特例認定の取消し、許可の取消し、告発、過料事件の通知、代執行、略式の代執行等による行政上の措置をいう。

(4) 査察員 野田市消防職員立入検査証規則(昭和34年野田市規則第16号。以下「規則」という。)第2条に規定する立入検査証の交付を受けている職員をいう。

(5) 査察対象物 防火対象物及び消防対象物のうち別表に規定するものをいう。

第2章 査察

第1節 査察の目的

(査察の目的)

第3条 査察は、査察対象物の位置、構造、設備及び管理の状況並びに危険物の貯蔵及び取扱いの状況の実態を明らかにし、消防法令等違反の是正を図るとともに、火災が発生する危険、火災が延焼する危険及び火災による人命の危険について関係者に十分に認識させることにより、査察対象物からこれらの危険を排除するために実施するものとする。

第2節 査察の種類及び査察対象物の区分等

(査察の種類)

第4条 査察の種類は、次の各号に掲げるとおりとし、その内容は、当該各号に定めるところによる。

(1) 定期査察 第9条の規定により定めた査察計画に基づき定期に実施する査察

(2) 臨時査察 関係者若しくは市民からの要望又は他の行政機関からの依頼があった場合において、消防長、消防署長又は予防課長(以下「消防長等」という。)が必要と認めたときに実施する査察

(3) 特別査察 消防長等が特に必要と認めるときに実施する査察

(査察対象物の区分等)

第5条 査察対象物の区分、区分の範囲及び査察回数は、別表のとおりとする。

第3節 査察に係る責務等

(消防長等の責務)

第6条 消防長等は、査察に係る行政の責任を十分認識し、常に消防に対する社会的要請に対応した査察を実施するよう努めなければならない。

2 消防長等は、査察対象物の複雑化及び多様化に対応するため、査察員に対する教育の実施、自己啓発の助長等により、査察技術の向上を図るよう努めなければならない。

3 消防長等は、管轄区域内の実態の把握に努め、査察が計画的に執行できるよう業務管理の適正化に努めなければならない。

4 消防長等は、査察の執行状況を管理し、毎年度、執行方針及び査察の執行体制の見直しを行うものとする。

(査察執行責任者等)

第7条 予防課、消防署及び分署に査察執行責任者を置き、所属長を充てるものとする。

2 査察執行責任者は、査察員の中から副査察執行責任者及び指定査察員を指名し、管轄区域内の査察業務の管理及び指導を行わせ、査察が円滑に執行されるように努めなければならない。

(査察員の派遣要請)

第8条 査察執行責任者は、査察を執行するに当たって必要と認める場合は、管轄区域外の査察員の派遣を要請することができる。

(査察計画の策定等)

第9条 予防課長は、査察対象物の査察を適正かつ円滑に実施するため、毎年度、査察計画を策定し、消防長に報告しなければならない。

2 予防課長は、査察計画の作成に際して、施設の自主管理状況、防火管理、危険物保安監督等の届出状況、過去の査察結果等を総合的に判断し、査察対象物の危険実態に応じて査察の優先順位を決定するものとする。

3 予防課長は、消防法令等が改正された場合又は火災発生状況により必要があると認めた場合は、査察計画を変更することができる。

第3章 立入検査

第1節 立入検査の実施

(立入検査の実施体制)

第10条 立入検査は、野田市消防吏員の階級に関する規則(昭和45年野田市規則第16号)に規定する消防士長以上の階級にある査察員のうち消防長等が適当と認める査察員を長とし、査察対象物の業態、規模等から判断して必要な人員構成により実施するものとする。

(立入検査証の携行)

第11条 査察員は、査察を行うときは、規則第3条の規定により交付された立入検査証を常に携行しなければならない。

(立入検査に係る査察員の遵守事項)

第12条 査察員は、査察を行うときは、次の各号に掲げる事項を遵守しなければならない。

(1) 礼節を正し、言葉を慎み、公正かつ公平に行うこと。

(2) 査察員相互の連絡を密にし、質問内容の重複を避けるよう配慮すること。

(3) 関係者又は関係者の代理人の立会いのもとに行うことを基本とし、必要に応じて防火管理者、危険物保安監督者その他関係のある者の立会いを求めること。

(4) 関係者の民事的紛争に関与しないこと。

(立入検査の拒否等)

第13条 査察員は、正当な理由がないのに立入検査の拒否、妨害又は忌避(以下「拒否等」という。)をする者(以下この条において「拒否者等」という。)があるときは、当該拒否者等に対し、立入検査の趣旨を説明し、その理解を求めた上で、立入検査を実施するものとする。

2 前項の規定により立入検査の趣旨を説明したにもかかわらず、理解が得られなかったときは、査察員は、当該拒否者等の氏名、当該拒否等をした理由及び査察員が説明した内容その他必要な事項を記録し、期日を改めて、立入検査を実施するものとする。

第2節 立入検査の結果の通知等

(立入検査の結果の報告)

第14条 査察員は、査察終了の都度、その結果を査察経過票に記録するとともに、立入検査結果報告書により消防長に報告しなければならない。

(立入検査の結果の通知)

第15条 立入検査を実施した査察員は、当該立入検査の結果、査察対象物(移動タンク貯蔵所及び危険物運搬車両を除く。)に指摘事項があるときその他立入検査結果を関係者に通知する必要があると認めるときは、当該関係者に立入検査結果通知書により通知するものとする。

(移動タンク貯蔵所及び危険物運搬車両に対する立入検査)

第16条 移動タンク貯蔵所及び危険物運搬車両に対する立入検査の要領等については、全国消防長会危険物輸送車両の立入検査実施要綱(昭和63年2月1日施行)によるものとする。

2 法第16条の5第2項の規定による走行中の移動タンク貯蔵所の立入検査については、所轄警察署の警察官と合同で行うものとする。ただし、危険物が漏えいしている場合等緊急を要する場合は、この限りでない。

(指摘事項等の改修報告)

第17条 消防長は、査察対象物に消防法令等違反の事実又は火災の危険等があることを確認したときは、提出期限を定めて、関係者に改修(計画)報告書の提出を求めるものとする。ただし、口頭による是正指導により、直ちに法令違反が是正され、又は火災の危険等が排除された場合は、この限りでない。

(改修指導)

第18条 消防長は、第15条の規定により査察員が立入検査の結果を関係者に通知したとき(当該立入検査により指摘事項を認めた場合に限る。)は、その経過状況を管理し、当該指摘事項が改修されるよう当該関係者に対し、指導するものとする。

(改修の確認検査)

第19条 査察員は、第17条の規定による報告があった場合において、改修が完了又は改修計画の期日が到来したときは、指摘事項の改修状況について立入検査により確認するものとする。ただし、図書等で当該改修の状況を確認できる場合は、この限りでない。

(関係行政機関との連携)

第20条 消防長等は、査察に関し、又は査察の結果に対し、特に必要があると認めるときは、関係行政機関と必要な連携を図るものとする。

第3節 資料の提出及び報告の徴収

(資料の提出命令)

第21条 火災予防上必要と認める事項については、関係者に対して資料(査察対象物の実態を把握するために必要な既存の図書その他の物件をいう。以下同じ。)の提出を求めるものとする。

2 前項の資料の提出は、関係者の任意によるものとする。

3 関係者が前項の規定による資料の提出をしないときは、法第4条及び法第16条の5の規定に基づき、資料提出命令書により関係者に資料の提出を命ずることができる。

(資料の受領及び保管)

第22条 前条の規定により提出された資料を受領するときは、当該資料の所有者の意思を明らかにするため、資料提出書に提出した資料の使用目的が終了後にその返却又は処分を求める旨を記入の上、提出させるものとする。

2 資料の提出者が提出した資料の所有権を放棄する旨の意思表示をした場合は、提出資料受領書を交付しなければならない。

3 資料の提出者が提出した資料の使用目的終了後の返却を求める旨の意思表示をした場合は、提出資料保管書を交付しなければならない。

4 第1項の提出資料は、紛失、毀損等をしないよう保管に留意しなければならない。

(報告の徴収)

第23条 火災予防上必要と認める事項については、関係者に対し、報告を求めるものとする。

2 前項の報告は、関係者の任意によるものとする。

3 第1項の関係者による報告がないときは、法第4条又は法第16条の5の規定に基づき、報告徴収書により関係者に報告を求めることができる。

4 前項の規定による報告があった場合は、報告徴収受領書を交付しなければならない。

(危険物等の収去)

第24条 法16条の5第1項の規定により危険物又は危険物の疑いのある物(以下「危険物等」という。)を収去するときは、野田市危険物の規制に関する規則(平成15年野田市規則第93号)第14条の規定により行うものとする。

(危険物等の収去に関する所有権放棄の申出)

第25条 前条の規定により危険物等を収去する場合において、当該危険物等の所有者が当該危険物等の所有権を放棄する旨の申出をするときは、所有権放棄書を徴するものとする。

(点検報告に係る是正指導)

第26条 消防長は、法第8条の2の2の規定による防火対象物点検結果報告書、法第36条第1項において準用する法第8条の2の2の規定による防災管理点検結果報告書又は法第17条の3の3の規定による消防用設備等(特殊消防用設備等)点検結果報告書を受け、点検結果の判定に不良が認められる場合は、点検報告に係る改修(計画)報告書により当該不良事項に係る改修計画の提出を求めるものとする。ただし、不良内容が軽微で、図書等による報告で確認できるものを除く。

2 消防長は、前項に規定する点検報告に係る改修(計画)報告書の提出があった場合は、関係者に対して当該不良事項の改修の履行を図るように指導し、必要に応じて立入検査を実施する。

第4章 違反処理

第1節 通則

(違反処理への移行)

第27条 消防長等は、次に掲げる場合には、違反処理を行うものとする。ただし、違反処理を一定期間留保すべき特段の事情があると認める場合であって、防火対象物の位置、構造、設備又は管理の状況から判断して、直ちに違反処理を行わなくとも、当該期間において、火災の発生又は延焼のおそれが著しく少なく、かつ、火災等の災害による被害を最小限度に止めることができると認めるときは、この限りではない。

(1) 第17条に規定する提出期限を過ぎても同条の報告書が提出されない場合

(2) 第17条の規定により提出された報告書の内容に不備があり、かつ、期限を定めて当該報告書の是正を指導したにもかかわらず、当該期限を過ぎても当該報告書の提出を求められた者がこれに応じない場合

(3) 第17条の規定により提出された報告書に記載された履行期限までに法令違反の是正又は火災危険等の排除が完了していないと認められる場合

(4) 法令違反の事実又は火災危険等があることが明白で、かつ、直ちに違反処理の措置を行う必要があると認める場合

(違反処理の区分)

第28条 違反処理は、次に掲げる区分による。

(1) 警告

(2) 命令

(3) 特例認定の取消し

(4) 許可の取消し

(5) 告発

(6) 過料事件の通知

(7) 代執行

(8) 略式の代執行(法第3条第2項又は法第5条の3第2項の規定に基づき、物件の除去等の措置をとること。行政代執行法(昭和23年法律第43号)に基づく戒告及び代執行令書による通知の手続を省略して行う代執行をいう。)

(違反処理の留意事項)

第29条 違反処理は、次に掲げる事項に留意して行わなければならない。

(1) 違反処理は、違反の内容又は火災危険の重大性に着目し、時機を失することなく厳正公平に行うこと。

(2) 違反処理事務を行うに当たっては、当該関係者に対し誠実かつ沈着、冷静に対処すること。

(3) 緊急の場合を除き、あらかじめ当該関係者に対し違反事実の内容を具体的に説明し、適切な指導を行うこと。

(4) 違反処理を行った事案については適時、追跡確認を行い、その是正促進に努めること。

(違反処理の基準)

第30条 違反処理は、別に定める違反処理基準により処理しなければならない。

2 違反の事実が明白で、かつ、当該違反事項が火災予防上若しくは人命安全上猶予できないと認める場合又は特異な違反事案の処理に係る場合は、違反処理基準に定める措置順序によらないことができる。

(違反の報告及び調査等)

第31条 消防職員(以下「職員」という。)は、職務の執行に際し違反事実を発見し、又は聞知した場合は、速やかに消防長に報告しなければならない。

2 前項の規定による報告を受けた消防長は、職員に命じて速やかに違反の事実の調査に当たらせるものとする。ただし、立入検査により違反の事実が確定している場合は、調査を省略することができる。

3 前項の規定による調査を行った職員は、調査した結果を違反調査報告書により消防長に報告しなければならない。

第32条 職員は、違反の調査に際し当該関係のある者に対して質問を行った場合は、質問調書を作成しておかなければならない。

第2節 警告

(警告)

第33条 消防長は、違反事項の是正を指示したにもかかわらず、是正されないときその他警告を行うことが必要と認めるときは、関係者に警告書を交付することにより警告を行うものとする。ただし、再発防止を図るための警告を行う場合については、口頭によることができる。

2 消防長は、違反の事実が明白であり、かつ、火災予防上必要と認める場合であって警告書を交付するいとまがないと認めるときは、違反の調査を命じた消防職員に口頭で必要事項を警告させることができる。

3 消防長は、前項の規定による口頭での警告を行ったときは、事後に警告書を交付するものとする。

(警告に係る履行状況の確認)

第34条 消防長は、前条の規定により警告を行ったときは、その相手方から改善報告を徴収するとともに、必要に応じて、査察員を履行状況の確認のための調査に当たらせなければならない。

2 前項の調査を行った査察員は、違反調査報告書に実況見分調書及び質問調書を添付して調査結果を消防長に報告するものとする。

第3節 事前手続

(事前手続としての聴聞及び弁明の機会の付与)

第35条 この規程において聴聞が必要な不利益処分は、次に掲げるものとする。

(1) 法第8条の2の3第6項の規定による特例認定の取消し

(2) 法第12条の2第1項の規定による危険物施設の許可の取消し

(3) 法第13条の24の規定による危険物保安統括管理者又は危険物保安監督者の解任命令

(4) 法第36条第1項において準用する法第8条の2の3第6項による特例認定の取消し

2 この規程において弁明の機会の付与が必要な不利益処分は、次に掲げるものとする。

(1) 法第5条第1項の規定による防火対象物の改修、除去等の命令

(2) 法第5条の2第1項の規定による防火対象物に対する使用禁止及び使用停止命令

(3) 法第5条の3第1項の規定に基づく防火対象物に対する危険排除のための措置命令

(4) 法第8条第4項の規定に基づく防火管理者業務適正執行のための措置命令

(5) 法第12条の2第1項及び第2項に規定する危険物施設の使用停止命令

(6) 法第14条の2第3項に規定する予防規程の変更命令

第4節 命令

(消防長による命令)

第36条 消防長は、警告事項の改善が不履行のとき又は火災が発生する危険が大きく緊急に不備欠陥事項の是正その他の措置をとる必要があると認めるときは、関係者に対し、命令書を交付することにより命令をするものとする。

2 消防長は、緊急に措置する必要があると認める場合で前項の命令書を発するいとまがないときは、口頭で必要な事項について命令することができる。

3 消防長は、前項の規定による口頭での命令を行ったときは、事後に命令書を交付するものとする。

(消防長以外の消防吏員による命令)

第37条 消防長以外の消防吏員は、法第3条第1項及び法第5条の3第1項の規定に基づく命令については、立入検査その他の業務の遂行中において、違反処理基準の命令の措置をとるべきものに該当する違反を発見したときは、命令書を交付することにより命令をするものとする。

2 消防長以外の消防吏員が緊急に違反処理基準の命令の措置する必要があると認める場合で、前項の命令書を発するいとまがないときは、口頭で必要な事項について命令することができる。

3 前項の規定による口頭での命令を行ったときは、消防長は、事後に命令書を交付するものとする。

4 第1項及び第2項の規定による命令を行った消防吏員は、措置命令報告書により消防長に報告しなければならない。

(弁明に係る命令の決定)

第38条 消防長は、第35条第2項に規定する弁明の機会の付与が必要な命令事案に係る弁明書(行政手続法(平成5年法律第88号)第29条に定める弁明書をいう。)が提出された場合には、当該内容について調査するものとする。

(教示)

第39条 第36条又は第37条の規定により命令した場合は、行政不服審査法(平成26年法律第68号)第82条及び行政事件訴訟法(昭和37年法律第139号)第46条第1項及び第2項に定める教示をしなければならない。

(催告)

第40条 消防長は、第36条及び第37条の規定による命令を行ったにもかかわらず、履行期限内に違反の是正がされないときは、必要に応じて違反行為者等に対し、催告書を交付して違反事項の是正を図るものとする。

(命令の解除)

第41条 消防長は、法第5条の2第1項、法第12条の2第1項若しくは第2項又は法第12条の3第1項の規定による命令について命令事項の全部又は一部が履行され、命令を受けた者から当該命令の解除の申出があったときは、その履行状況を確認し、命令の解除の要件を満たすと認めたときは、速やかに命令の解除をするものとする。

2 前項の規定による命令の解除は、違反行為者等に対し、命令解除通知書を交付して行うものとする。

第5節 公示

(公示)

第42条 消防長は、次条に掲げる命令を行った場合は、当該査察対象物又は当該査察対象物のある場所への標識の設置及び野田市公告式条例(昭和27年条例第9号)第5条に規定する方法により公示を行うものとする。

(公示の期間)

第43条 消防長は、法第5条第1項、法第5条の2第1項、法第5条の3第1項、法第8条第3項及び第4項、法第8条の2第5項及び第6項、法第8条の2の5第3項、法第11条の5第1項及び第2項、法第12条第2項、法第12条の2第1項及び第2項、法第12条の3第1項、法第13条の24第1項、法第14条の2第3項、法第16条の3第3項及び第4項、法第16条の6第1項、法第17条の4第1項及び第2項、法第36条第1項において準用する法第8条第3項及び第4項並びに法第36条第1項において準用する法第8条の2第5項及び第6項の規定による命令を行った場合には、速やかに公示し、当該命令の履行又は解除がなされるまでの間その状態を維持するものとする。

第6節 特例認定の取消し等

(特例認定の取消し)

第44条 法第8条の2の3第6項(法第36条第1項において準用する場合を含む。)の規定による認定の取消しは、違反行為者等に対し、特例認定取消書を交付して行うものとする。

(許可の取消し)

第45条 法第12条の2第1項の規定による許可の取消しは、次の各号のいずれかに該当する場合に行うものとする。

(1) 法第12条の2第1項の規定による使用停止命令に違反したとき

(2) 違反内容が許可の取消しを行うことを消防長が必要と認めるとき

2 前項の許可の取消しは、違反行為者等に対し、許可取消書を交付して行うものとする。

第7節 告発

(告発)

第46条 告発は、次の各号のいずれかに該当する場合で消防長が必要と認めるときに行うものとする。

(1) 違反の内容が重大なとき

(2) 違反に起因する火災等の発生若しくは拡大又は死傷者が発生したとき

(3) その他告発をもって措置すべき情状が認められるとき

(告発の手続)

第47条 告発は、違反の発生した場所を管轄する検察庁の検察官又は警察署長に対して行うものとする。

2 告発を行うときは、告発書に、次に掲げるもののうち、当該違反に必要な資料を添付して行うものとする。

(1) 立入検査関係書類の写し

(2) 火災調査関係書類の写し

(3) 違反関係書類

(4) 違反の現場写真

(5) 陳情書又は投書等の写し

(6) その他特に必要と認められる資料

第8節 過料事件の通知

(過料事件の通知)

第48条 消防長は、法第8条の2の3第5項又は法第17条の2の3第4項の規定による届出を怠った者を覚知した場合で、法第46条の5に規定する過料をもって対応すべきと認めるときは、当該届出を怠った者の住所地を管轄する地方裁判所に通知するものとする。

(過料事件の通知の手続)

第49条 前条の規定による通知は、過料事件通知書に次に掲げる資料を添付して行うものとする。

(1) 法第8条の2の3第1項の規定による認定を受けた防火対象物(以下この条において「特例認定防火対象物」という。)の管理について権原を有する者(以下「管理権原者」という。)であったことを証明する資料

(2) 管理権原者に変更があったことを証明する資料

(3) 過料に処せられるべき者の住所地を証明する資料

(4) 違反時点において特例認定防火対象物であったことを証明する資料

第9節 代執行及び略式の代執行

(代執行)

第50条 消防長は、第36条又は第37条の規定による命令又は第46条の規定による告発によってもなお違反が是正されない場合で、特に必要があると認めるときは、行政代執行法の定めるところにより代執行を行うものとする。

2 消防長は、前項の代執行を行う場合は、事前に執行に伴う作業、警戒及び経費等の計画を策定するものとする。

3 前項の代執行の戒告、通知及び費用徴収のための文書並びに執行責任者の証票は、次に掲げるとおりとする。

(1) 戒告書

(2) 代執行令書

(3) 代執行費用納付命令書

(4) 代執行執行責任者証

(略式の代執行)

第51条 消防長は、法第3条第1項又は法第5条の3第1項の命令に係る履行義務者を確知することができないために、当該命令を発することができない場合には、法第3条第2項又は法第5条の3第2項の規定に基づき、査察員に法第3条第1項第3号及び第4号に掲げる措置をとらせるものとする。

2 消防長は、当該物件の除去及び保管に要した費用がある場合は、所有者又は当該物件を除去後に所有権を放棄した者に対して民事上の手続を行い、除去及び保管費用納付命令書を交付することにより、当該費用を徴収するものとする。

(略式の代執行に係る事前の公告)

第52条 法第5条の3第2項の規定に基づく公告は、別に定める方法により行うものとする。

第10節 雑則

(警告書等の送達)

第53条 この規程に定める警告書、命令書、催告書、命令解除通知書、特例認定取消書、許可取消書、戒告書、代執行令書及び代執行費用納付命令書(次項において「警告書等」という。)を交付する場合は、当該関係者に直接交付し、受領書に署名押印を求めるものとする。

2 前項の警告書等の受領を拒否した場合、その他必要があるときは配達証明又は内容証明の取扱いによる郵送をするものとする。

(違反の是正に関する計画書の提出等)

第54条 消防長は、違反処理を行った場合において、必要があると認めるときは、違反行為者又は法第2条第4項に定める関係者に対し違反の是正に関する計画書その他必要な書類の提出を求め、又は職員に命じて違反の是正の履行状況を確認する調査を行わせるものとする。

(履行状況を確認及び違反処理結果の報告)

第55条 違反処理を行う職員は、次に掲げる事項を行わなければならない。

(1) 違反事実の是正が早期に行われるよう、当該関係者を指導するとともに、その履行状況を確認し、その経過を違反処理経過簿に記録すること。

(2) 違反処理が完了したときは、違反処理完了報告書により消防長に報告すること。

第5章 補則

(関係官公署への照会等)

第56条 消防長は、立入検査において指摘した他法令の防火に関する規定の違反については、主管行政庁に通知し、是正促進を要請するとともに、十分な連絡を図り、その改善指導に努めるものとする。

2 消防長は、他法令違反が存する対象物の違反是正措置等を講じる場合には、関係機関と十分な情報提供及び連絡調整を行うとともに、自ら違反事実の把握に努め、ほかに手段がない場合に、他の関係官公署の事務に支障がないように配慮しつつ、法第35条の13の規定に基づく照会を行うなど、適切な措置を講じるよう相互の連携に努めるものとする。

3 消防長は、前項の規定による照会の実施又は協力を求めるときは、火災予防関係事項照会書又は火災予防協力要請書により行うものとする。

4 消防長は、違反処理につき関係機関より協力を求められたときは、必要に応じ協力するものとする。

(準用)

第57条 査察、立入検査及び違反処理その他の火災予防に係る業務に当たっては、この規程に定めるもののほか、平成26年3月4日付け消防予第55号消防庁予防課長通知による「立入検査標準マニュアル」及び「違反処理標準マニュアル」並びに平成14年10月23日付け消防危第503号消防庁危険物保安室長通知による「危険物施設違反処理マニュアル」を準用するものとする。

(補則)

第58条 この規程に定めるもののほか必要な事項は、消防長が定める。

この訓令は、令和3年1月1日から施行する。

別表(第2条第5号、第5条関係)

査察対象物の区分

区分の範囲

査察回数

第1種査察対象物

ア 消防法施行令(昭和36年政令第317号。以下「令」という。)別表第1(1)(防火対象物定期点検報告制度に係る防火対象物に限る。)(2)項、(3)(消防法施行規則(昭和36年自治省令第6号)第6条第5項に規定する小規模特定飲食店等を除く。)(4)(延べ面積が1,000平方メートル以上のものに限る。)(5)項イ、(6)項イ(入院させる施設があるものに限る。)、ロ及びハ、(9)項イ並びに(16)項イ(自動火災報知設備の設置の対象となるものに限る。)に掲げる防火対象物の用途に供されている特定防火対象物(法第17条の2の5第2項第4号に規定する特定防火対象物をいう。)並びに不備欠陥事項が認められる防火対象物であって、消防長又は消防署長が必要と認めるもの(以下「不備欠陥防火対象物」という。)

3年に1回以上

イ アの防火対象物及び不備欠陥防火対象物以外の防火対象物のうち、延べ面積が1,000平方メートル以上の防火対象物

概ね5年に1回以上

第2種査察対象物

ア 第1種査察対象物を除く、令別表第1(1)項、(4)項、(6)項イ及びニ並びに(16)項イ

3年に1回以上

イ 第1種査察対象物イを除く、令別表第1(5)項ロ(500平方メートル未満を除く)(7)項、(8)項、(9)項ロ、(10)項から(15)項まで、及び(16)項ロ

概ね5年に1回以上

第3種査察対象物

ア 製造所、給油取扱所(営業用に限る。)及び移動タンク貯蔵所

1年に1回以上

イ ア以外の危険物を取扱う取扱所及び貯蔵所

3年に1回以上

第4種査察対象物

ア 令別表第1で(17)項に該当する防火対象物

火災予防上必要があると認めるとき

イ 第1種査察対象物、第2種査察対象物及び第3種査察対象物以外の消防対象物

野田市火災予防査察規程

令和2年12月23日 消防本部訓令第1号

(令和3年1月1日施行)

体系情報
第11類 消防・防災/第3章 火災予防・危険物規制
沿革情報
令和2年12月23日 消防本部訓令第1号