○野田市太陽光発電設備の設置の規制等に関する条例
令和5年11月28日
野田市条例第29号
野田市太陽光発電設備の適正な設置等に関する条例(平成31年野田市条例第11号)の全部を改正する。
(目的)
第1条 この条例は、太陽光発電設備の適正な設置及び維持管理に関し必要な事項を定めることにより、災害の防止、良好な生活環境の維持並びに豊かな自然環境及び魅力ある景観の保全を図ることを目的とする。
(1) 太陽光発電設備 再生可能エネルギー電気の利用の促進に関する特別措置法(平成23年法律第108号)第2条第2項に規定する再生可能エネルギー発電設備のうち、太陽光を再生可能エネルギー源とする設備(建築基準法(昭和25年法律第201号)第2条第1号に規定する建築物の屋根若しくは屋上又は壁面に設置するもの、送電に係る電柱等を除く。)をいう。
(2) 設置事業 太陽光発電設備の設置を行う事業(盛土、切土等の土地の造成並びに立木及び竹木の伐採を含む。)をいう。
(3) 発電事業 太陽光発電設備による発電その他の太陽光発電設備の維持管理を行う事業をいう。
(4) 事業者 設置事業又は発電事業(以下「太陽光事業」という。)を行う者をいう。
(5) 事業区域 太陽光事業を行う一団の土地(太陽光発電設備に附属する管理施設、変電設備、緩衝帯等に係る土地を含む。)の区域をいう。
(6) 地域住民 事業区域を含む自治会(一定の区域に住所を有する者の地縁に基づいて形成される団体をいう。)の区域に居住する者をいう。
(7) 近隣関係者 事業区域の境界から50メートル以内の区域に土地又は建築物を所有する者及び当該建築物に居住する者をいう。
(抑制区域)
第3条 市長は、本市における災害の防止、良好な生活環境の維持並びに豊かな自然環境及び魅力ある景観の保全が特に必要な区域を抑制区域として指定するものとする。
(適用範囲)
第4条 この条例の規定は、発電出力が10キロワット以上の太陽光発電設備に係る太陽光事業について適用する。
(市の責務)
第5条 市は、この条例の適正かつ円滑な運用が図られるよう必要な措置を講ずるものとする。
(土地所有者等の責務)
第6条 第3条に規定する抑制区域(以下「抑制区域」という。)内の土地の所有者又は土地を使用収益する権原を有する者は、太陽光事業を行うことを予定する者に対し土地を提供しようとするときは、当該者が災害の防止、良好な生活環境の維持並びに豊かな自然環境及び魅力ある景観の保全のために必要な措置を講じようとしていることを確認し、これらが確認できない場合には、当該土地を提供することのないよう努めなければならない。
2 抑制区域内の土地の所有者は、事業者が、発電事業を終了した場合、太陽光事業を廃止した場合又は太陽光事業の中止を命じられた場合において、当該事業区域について太陽光発電設備の除却その他災害の防止、良好な生活環境の維持並びに豊かな自然環境及び魅力ある景観の保全のために必要な措置を講じないときは、当該事業区域について太陽光発電設備の除却その他必要な措置を講ずる責務を有する。
(事業者の責務)
第7条 事業者は、関係法令及びこの条例を遵守し、災害の防止、良好な生活環境の維持並びに豊かな自然環境及び魅力ある景観の保全に十分配慮するとともに、地域住民及び近隣関係者(以下「地域住民等」という。)との良好な関係を保たなければならない。
2 事業者は、太陽光事業を行うことを予定する者に対し太陽光事業を譲渡しようとするときは、当該者が災害の防止、良好な生活環境の維持並びに豊かな自然環境及び魅力ある景観の保全のために必要な措置を講じようとしていることを確認し、これらが確認できない場合には、当該太陽光事業を譲渡することのないよう努めなければならない。
(太陽光事業に係る事前相談)
第8条 抑制区域内の土地を借りて太陽光事業を行うことを予定する者及び当該土地の所有者は、当該土地に係る契約を締結する前に、市長に相談しなければならない。
4 地域住民等は、事前協議終了事業者に対し、規則で定めるところにより、当該事業計画について意見を申し出ることができる。
5 事前協議終了事業者は、前項の規定による意見の申出があったときは、規則で定めるところにより、当該申出をした地域住民等と協議しなければならない。
(太陽光事業の許可)
第10条 事業者は、抑制区域内において太陽光事業を行おうとするときは、事業区域ごとに事業計画を定め、当該事業区域ごとに当該太陽光事業について、規則で定めるところにより、市長の許可を受けなければならない。
2 前項の事業計画には、次に掲げる事項を定めなければならない。
(1) 事業者の氏名、住所及び連絡先(法人にあっては、その名称、代表者の氏名、主たる事務所の所在地及び連絡先)
(2) 事業区域内の土地の所在、地番、地目及び面積
(3) 設置事業において工事を行う者の氏名及び住所(法人にあっては、その名称、代表者の氏名及び主たる事務所の所在地)
(4) 設置事業を完了したときにおける土地の形状
(5) 太陽光発電設備を設置する位置
(6) 設置する太陽光発電設備の構造
(7) 設置事業の工程計画
(8) 設置する太陽光発電設備の最大出力
(9) 太陽光事業の期間
(10) 自然環境の保護のための方策
(11) 景観の保護のための方策
(12) 排水施設その他土砂等の流出及び崩壊を防止する施設の計画
(13) 太陽光の反射等による生活環境への被害を防止するための措置
(14) 前2号に掲げるもののほか、災害、事故等の発生を防止するための措置
(15) 太陽光事業の施行に必要となる法令及び他の条例の許認可の取得に関する計画
(16) 発電事業における太陽光発電設備及び事業区域の維持管理の計画
(17) 発電事業における異常又は災害の発生の際の対応の計画
(18) 発電事業を終了した後の太陽光発電設備の撤去に関する計画及び撤去費用の積立てに関する計画
(19) 前各号に掲げるもののほか、規則で定める事項
(1) 事業区域の周辺地域(以下この項において「周辺地域」という。)における自然環境を害するおそれがないこととして規則で定める基準に適合していること。
(2) 周辺地域の景観を阻害するおそれがないこととして規則で定める基準に適合していること。
(3) 周辺地域において土砂崩れ、溢水等を発生させるおそれがないこととして規則で定める基準に適合していること。
(5) 排水施設、擁壁その他の施設が関係法令及び規則で定める基準に適合していること。
(6) 地形、地質及び周囲の状況に応じ配慮すべき事項又は講ずべき措置が関係法令及び規則で定める基準に適合していること。
(7) 周辺地域における道路、河川、水路その他公共施設の構造等に支障を来すおそれがないこととして規則で定める基準に適合していること。
(8) 太陽光の反射、騒音等による生活環境への被害を防止するための措置その他の近隣住民等の生活環境を保全すべき措置が講じられていることとして規則で定める基準に適合していること。
(9) 設置する太陽光発電設備が電気事業法(昭和39年法律第170号)、再生可能エネルギー電気の利用の促進に関する特別措置法その他関係法令の基準に適合していること。
(10) 市の総合計画、環境基本計画、都市計画その他の将来計画に即した事業計画となっていること。
(1) 抑制区域内の土地を借りて太陽光事業を行う場合にあっては、第8条第2項の規定による誓約書の提出がなされていないとき。
(2) 第9条第1項の規定による事前協議終了通知書の交付を受けていないとき。
(3) 第9条第6項の規定による報告がなされていないとき。
(4) 事業者に事業計画を実施するために必要な資力及び信用があると認められないとき。
(6) 事業者又は設置事業において工事を行う者(その者が法人である場合にあっては、その役員等)が野田市暴力団排除条例(平成23年野田市条例第30号)第2条第3号に規定する暴力団員等(以下この号において単に「暴力団員等」という。)又は同条第1号に規定する暴力団若しくは暴力団員等と密接な関係を有する者であるとき。
3 市長は、前条第1項の許可に当たり、災害の防止、良好な生活環境の維持並びに豊かな自然環境及び魅力ある景観の保全のために必要があると認めるときは、条件を付することができる。
3 新規許可事業者は、第1項の規則で定める軽微な変更(規則で定める事項の変更を除く。)をしたときは、速やかに、その旨を市長に届け出なければならない。
(太陽光発電設備の搬入車両への表示)
第14条 許可事業者は、当該許可を受けた事業区域に太陽光発電設備を搬入しようとするときは、規則で定めるところにより、当該許可に係る太陽光発電設備の搬入の用に供する車両である旨その他規則で定める事項を当該車両の見やすい箇所に表示するよう努めなければならない。当該搬入を他の者に行わせるときも、同様とする。
(関係書類の閲覧)
第15条 許可事業者は、規則で定めるところにより、当該許可に係る太陽光事業を行っている間、当該許可に関する書類等の写しを、地域住民等その他当該太陽光事業に関し生活環境の保全上利害関係を有する者の求めに応じ、閲覧させなければならない。
(設置事業の着手等の届出等)
第16条 許可事業者は、当該許可に係る設置事業に着手するときは、あらかじめ、市長に届け出なければならない。当該設置事業を中止し、又は再開するときも、同様とする。
2 許可事業者は、当該許可に係る設置事業を完了したときは、その日から起算して10日以内に、その旨を市長に届け出なければならない。
4 市長は、前項の規定による検査の結果、許可内容に適合しないと認めるときは、当該許可事業者に対し、相当の期間を定めて、許可内容に適合するために必要な措置を講ずることを命ずることができる。
(発電事業の開始等の届出等)
第17条 許可事業者は、当該許可に係る発電事業を開始し、又は終了したときは、その日から起算して10日以内に、その旨を市長に届け出なければならない。
2 前項の規定による終了の届出をしようとする許可事業者は、あらかじめ、当該太陽光発電設備の除却その他災害の防止、良好な生活環境の維持並びに豊かな自然環境及び魅力ある景観の保全のために必要な措置を講じなければならない。
3 市長は、第1項の規定による終了の届出があったときは、速やかに、当該事業区域の状況を確認するものとする。
(報告の義務等)
第18条 許可事業者は、再生可能エネルギー電気の利用の促進に関する特別措置法施行規則(平成24年経済産業省令第46号)第5条第1項第7号の規定により経済産業大臣に当該太陽光発電設備の運転に要する費用に関する情報の提供をしたときは、その日から起算して10日以内に、規則で定めるところにより、その内容を市長に報告しなければならない。
2 許可事業者は、発電事業において異常又は災害が発生したときは、当該事業計画に規定する発電事業における異常又は災害の発生の際の対応の計画に基づく対応をするとともに、その日から起算して10日以内に、その内容を市長に報告しなければならない。
3 市長は、許可事業者が前2項の規定による報告をしないときは、当該許可事業者に対し、相当の期間を定めて、当該違反を是正するために必要な措置を講ずることを勧告することができる。
(太陽光事業の譲渡等の届出等)
第19条 許可事業者は、当該許可に係る太陽光事業を譲渡(次条第1項の規定の適用を受ける場合を除く。)しようとするときは、当該譲渡をしようとする日の60日前までに、その旨を市長に届け出なければならない。
2 許可事業者は、当該許可に係る太陽光事業を廃止したときは、その日から起算して10日以内に、その旨を市長に届け出なければならない。
4 市長は、第2項の規定による届出があったときは、速やかに、当該事業区域の状況を確認するものとする。
(地位の承継)
第20条 許可事業者について相続、合併又は分割(当該許可に係る太陽光事業の全部を承継させるものに限る。)があったときは、相続人(相続人が2人以上ある場合において、その全員の同意により承継すべき相続人を選定したときは、その者)、合併後存続する法人若しくは合併により設立した法人又は分割により当該許可に係る太陽光事業の全部を承継した法人は、当該許可事業者のこの条例の規定による地位を承継する。
2 前項の規定により許可事業者の地位を承継した者は、当該許可事業者に付された一切の許可条件を遵守しなければならない。
3 第1項の規定により許可事業者の地位を承継した者は、その承継の日から起算して10日以内に、市長に届け出なければならない。
(措置命令)
第21条 市長は、許可事業者が太陽光事業を当該許可に係る事業計画に従って行っていないと認めるときは、当該許可事業者に対し、当該太陽光事業の中止を命じ、及び相当の期間を定めて、当該違反を是正するために必要な措置を講ずることを命ずることができる。
4 市長は、第18条第3項の規定による勧告を受けた許可事業者が、正当な理由がなく、当該勧告に係る措置を講じなかったときは、当該勧告を受けた許可事業者に対し、当該太陽光事業の中止を命じ、及び相当の期間を定めて、当該勧告に係る措置を講ずることを命ずることができる。
(許可の取消し等)
第22条 市長は、許可事業者が次の各号のいずれかに該当するときは、当該許可を取り消すことができる。
(3) 第11条第2項第4号から第6号までのいずれかに該当することとなったとき。
(6) この条例に基づく届出、申請、報告等において、虚偽記載等の不正行為を行ったとき。
2 市長は、前項の規定による許可の取消しを受けた事業者に対し、当該太陽光事業の中止を命じ、及び相当の期間を定めて、当該太陽光発電設備の除却その他災害の防止、良好な生活環境の維持並びに豊かな自然環境及び魅力ある景観の保全のために必要な措置を講ずることを命ずることができる。
(1) 当該命令に違反し、又は当該許可の取消しを受けた事業者の氏名及び住所(法人にあっては、その名称、代表者の氏名及び主たる事務所の所在地)
(2) 当該命令の内容又は当該許可の取消しの理由
2 市長は、事業者がこの条例に基づく届出、申請、報告等において、虚偽記載等の不正行為を行ったと認めるとき(前条第1項の規定により許可の取消しをした場合を除く。)は、次に掲げる事項をインターネットの利用その他適切な方法により公表することができる。
(1) 当該事業者の氏名及び住所(法人にあっては、その名称、代表者の氏名及び主たる事務所の所在地)
(2) 当該事業者が行った不正行為の内容
3 市長は、前2項の規定による公表をしようとするときは、あらかじめ、当該事業者に対し、その旨を通知し、意見を述べる機会を与えなければならない。
(太陽光発電設備の廃棄)
第24条 抑制区域において使用し、又は使用を予定した太陽光発電設備を廃棄する者は、廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和45年法律第137号)、建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律(平成12年法律第104号)及び環境省が定める「太陽光発電設備のリサイクル等の推進に向けたガイドライン」に基づき、自らの責任において適正に処理しなければならない。
(立入調査等)
第25条 市長は、この条例の施行に必要な限度において、抑制区域内において太陽光事業を行う者に対し当該太陽光事業に関する報告若しくは資料の提出を求め、又はその職員に、営業所、事業所若しくは事業区域に立ち入らせ、太陽光事業に関する事項について調査させ、若しくは関係者に対する質問をさせることができる。
2 前項の規定による立入調査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があったときは、これを提示しなければならない。
3 第1項の規定による立入調査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
(委任)
第26条 この条例の施行に関し必要な事項は、市長が定める。
附則
(施行期日)
1 この条例は、令和6年1月1日から施行する。
(1) この条例の施行の際現にこの条例による改正前の野田市太陽光発電設備の適正な設置等に関する条例第8条第1項の規定による協議を開始している設置事業及び当該設置事業に係る発電事業
(2) 平成31年3月31日以前に特定契約(強靱かつ持続可能な電気供給体制の確立を図るための電気事業法等の一部を改正する法律(令和2年法律第49号)第3条の規定による改正前の電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法(平成23年法律第108号)第2条第5項に規定する特定契約をいう。)の申込みをした者が行う当該申込みに係る太陽光発電設備に係る発電事業